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【嚥下ピラミッド】摂食嚥下リハビリテーション | 学会分類

こんにちは、医療法人あんず会 杏クリニックです。
この記事では嚥下ピラミッドについて解説していきます。



【嚥下ピラミッド】摂食嚥下リハビリテーション | 学会分類

嚥下ピラミッドとは?
全ての食事を食べたり飲み込んだりする際の難易度に基づいて、普通食から嚥下食までの6段階のレベルに分類したものです。

摂食・嚥下リハビリテーション学会や、聖隷三方原病院(静岡県浜松市)で1980年代から使われていた介護食の分類法で、2004年に発表され、広く利用されるようになりました。

嚥下ピラミッドでは、すべての食事を摂食・嚥下の難易度にもとづいて各レベルごとの食物形態の物性条件を基準化することで、品質管理を行います。

病院や介護施設などでは、嚥下食ピラミッドや嚥下調整食分類に基づいた嚥下食が用意されていることが多いです。

飲み込みやすさに関する基準があることで、病院や施設、在宅で同じレベルの食事やリハビリテーションが行なえます。

「今、どれだけ食べたり飲み込んだりできるレベルなのだろう?」と思った時、献立と嚥下食ピラミッドの分類見ると良く分かると思います。

高齢者施設では、食べたり飲み込んだりが難しくなるごとに、普通食から、介護食、嚥下食となりレベル0へと徐々に移行していきます。

逆に脳血管障害や認知症後期などによる摂食・嚥下障害の場合は、レベル0から嚥下の訓練が行なわれて、レベル1~5へと段階的に進んでいきます。



嚥下レベルについて

レベル0

均質性を持ち、重力でスムーズに咽頭内を通過する物性を有する食品が該当します。
例としては、水分や果汁にゼラチン・トロミを加えて作る「水分ゼリー」、「ゼラチンセリー」、「りんごゼリー」などが挙げられます。

1食あたりの栄養量は100ml,100kcalを基準とします。2〜5℃で保存ます。

レベル1

均質性をもち、ざらつき、べたつきの少ない、ゼラチン寄せなどの食品です。
「ねぎとろ」、「豆腐入り味噌汁ゼリー」、「重湯ゼリー」、「具のない茶碗蒸し」、「プリン」、「サーモンムース」などが代表的な例です。
1食あたりの栄養量は300ml,150kcalを基準とします。

レベル2

均質性をもつものの、レベル1に比べて粘性、付着性が高い、ゼラチン寄せなどの食品が該当します。

代表的な例として、濃厚流動で作る「ゼリー(ゼラチン濃度1.3w/w%)」、「ヨーグルトにんじんゼリー」などがあります。

1食あたりの栄養量は500ml,300kcalを基準とします。

レベル3

不均質性の、ピューレを中心とする食品が該当します。
生クリームや油脂などを食材に加えることで、野菜、根菜類、魚肉類などのさまざまな食材を使って作れるので、普通の食事に近く、レベル2に比較するとメニューの幅が大きく広がります。

嚥下寿司、水ようかん、スクランブルエッグなどが、代表的な例です。

レベル4

摂食・嚥下の過程の口腔期に嚥下障害のある方に対応する食事です。
パサつかず、むせにくく、なめらかな、ひと口大の大きさを目安とします。

レベル5

ごく一般的な食事です。
摂食嚥下障害のある方には、食べることが困難です。



レベルの判定方法

1人ひとりの患者さんや高齢者の方々に食べやすくて誤嚥事故等の心配の少ない適切な嚥下食を提供するためには、それぞれどのレベルの嚥下食を提供すべきかの的確な判定が必要です。

理想的には、「嚥下造影検査(VF)」や「嚥下内視鏡検査(VE)」など、機器による精密な検査にもとづく判定が行われるべきであり、特に「レベル2(嚥下食2)」から「レベル0」に相当する中等度〜重度の嚥下障害が疑われる場合は、必ず実施されなければなりません。

しかしながら、在宅介護・在宅医療の現場において全ての方に実施するのは本人・家族にも負担が生じます。

杏クリニックにおいては、下記の「嚥下ピラミッド」を活用して、ご家族とともに、嚥下障害度のスクリーニングを行います。

ご本人のレベルと、身近なものでの直接訓練のご提案を差し上げます。
必要に応じ栄養指導や嚥下食メーカーのご提案もしております。

特に急性期で嚥下障害と判断された方については、3ヵ月に1度程度の嚥下スクリーニングをおすすめ致します。

摂食・嚥下障害へのアプローチ 訪問歯科診療ではじめる [ 戸原玄 ]